日本の川に戻る 阿武隈川水系に戻る 五百川に戻る Last update 2006/09/18
安積疏水は 明治天皇の聖慮に基き奉り士族授産東北開發
殖産興業を目的として開鑿せられたるものにして明治十二
年工を起志同十五年工を竣る五百川架樋は工事中の難所た
り且つ安積疏水の咽喉にして長工師ファンドールンの心血
を濺ぎし所幾多の人命と巨額乃財を費し當時に於ける最新
の技術により施工せられ我邦に於けるセメント工事の嚆矢
と稱せらる 安積疏水神社は工事成功祈願のため奉祀せられ
安積疏水の守護神として今日に至る 昭和五年春より疏水
路改修の大工事相亞ぎしも悉く豫期以上の好績を收め得た
るもの天の時と人の和とに依るべしと雖も其の時と人とを
與へしもの 神明の加護は非ずして何ぞや輒ち組合會の議
を經て社殿を造營し以て 神慮に報い奉り引續く工事の成
功と組合の安泰とを祈願志奉らんとす
神明希はくは照鑑あれ
昭和十年四月二十九日
安積疏水普通水利組合常設委員
福島縣名譽職參事會員 渡邊信任 謹記