三丁目堰桜の目堰合口記念碑

Go Index Back 北上川水系に戻る 江合川に戻る 三丁目頭首工に戻る Last update 2003/11/15


三丁目堰桜の目堰合口記念碑

三丁目堰及び桜の目堰は遠く伊達藩時代に構 築され示来幾多の水禍の脅威を克服し三丁目 堰土地改良区二、三〇〇町歩桜の目堰土地改 良区一、三〇〇町歩の美田を潤おす大動脈の 役割を果して来たが昭和四十一年六月二十九 日襲来した豪雨によって両堰ともに大破し特 に桜の目堰は取水不能の壊滅的打撃を被るに 至った。
両土地改良区役員はこの惨状を県当局に訴え 復旧方につき格別の配意を懇請したことから 時の百瀬県耕地課長は直ちに現地踏査の上こ の際三丁目堰の現在地に両堰を統合する抜本 的な全面改築を断行することこそ禍を轉じて 福となす百年の大計であるとの見解を示され た.両土地改良区役員会は慎重協議の末小異 を捨てて大同につく有利性を認める万難を排 て百瀬課長の示唆を支持しその早期実現を期 することに意見一致両改良区總代会もまた圧 倒的協賛を与えて原案は終に全組合員三、四 〇〇名の總意として議決された
斯くてこの画期的な復旧大工事を以って実施 されたい旨の衷情を披瀝する陳情請願に対し 県当局及び県議会はいずれもことの重要性と 緊急性を深く理解されて要望は全面採擇とな り同年十一月着工以后三年有余の日子と總工 費二億七千三百三十万円を投じて昭和四十四 年三月二十五日目出たく完成を見たものであ る
工事は如何なる災害にも堪える極めて安全度 の高い設計に近代技術の粋を盡しコンクリー ト固定堰延長二九五、四八米洪水吐延長二〇 米及び土砂吐延長一〇米各二門その中間に延 長八米の魚道を設け巾員三米の取入水門は三 門で毎秒一〇、五〇四屯の水量を取入する規 模を有し特に桜の目側への分水路は耕地の犠 牲を極力回避するため三、〇〇〇米区間を内 径一、三米のヒューム管の全線暗渠とするな ど綿密周到な計画がみごとに貫かれているこ と而もこの復旧を激甚災害指定のもとに県営 を以ってとりあげられた結果地元の受益者負 担は僅か二千一百八十七万円にとどまる恩恵 に浴し得たことは起死回生の喜びを倍増する 忘れ難い感激として特筆されねばならない
ここに記念碑を建立し銘記すべき工事完成ま での由来を刻んで永く後世に傳えるゆえんで ある
 昭和四十五年九月
 題字 宮城県知事 山本荘一郎
 撰文 山村瀧治


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