出来川非常用放流工

Go Index Back 北上川水系に戻る 江合川に戻る Last update 2003/09/08


出来川の下流部は元々は名鰭沼に流入し、名鰭沼は明治水門を通じて江合川に通じていた
名鰭沼を干拓した際に築堤され沼から分離し、江合川に直接注ぐこととなったが、江合川の水位が上昇し明治水門が閉まると出来川上流から流下する水は行き場を失い堤防から溢水してしまう
そこでもとの名鰭沼の一番低いところに設置されたのが非常用放流工である
名鰭沼と出来川とが分離された時の出来川の計画高水流量約47m3/s全量を排水する設計となっており、中央越流部から約7m3/s、両側のサイフォン式放流工から各20m3/sを放流するものである
サイフォン部は、サイフォン頂部の越水が始まると頂部に設置された空気抜きパイプが出来川の水面に接し、サイフォンが形成され放流工上下流の水位差が有効となり大流量の排水を可能とする
出来川水位が低下するとパイプから空気が入りサイフォンが壊れ排水は停止する
このためサイフォン頂部のパイプはサイフォンブレーカーと呼ばれる
非常に珍しい構造であるが、越流堤と比較すればはるかに短い延長で大流量の排水を可能とするものである

定川農業水利事業により農林水産省が設置したものであるが河川管理施設として宮城県に引き継がれている
なお、旧名鰭沼の干拓地はこの放流工等によって洪水時には浸水することになるが、入植にあたり浸水に対して補償を求めないことが前提となっているという
したがって、旧名鰭沼の土地は河川管理施設としての遊水地ではない

平成14年7月の台風6号災害ではこの放流工から排水し浸水した

非常用放流工横断図

(宮城県土木部河川課提供の図を修正して作成)

出来川右岸非常用放流工
































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