日本の川に戻る 馬淵川水系に戻る 河口〜馬淵大堰に戻る Last update 2003/06/01
馬渕川改修工事竣功記念碑
参議院議員 米田正文書
昭和三十六年九月建立
八戸市長 岩岡コ兵衛
馬渕川は流路一三五キロメートル 流域二〇〇〇平方キロメートルで 発電 灌漑 工業用水等 県南地方産業経済の大動脈である
しかし流路がはなはだしく蛇行 ほとんど無堤であったため洪水による災害が多く 八戸市の開発を遅らせてきた
この被害を防ぐために 昭和十二年六月 十ヶ年計画で 馬淵川直轄河川改修工事が着手されたが 太平洋戦争の影響で工事がおくれ 戦後もはかどらず 工事打切りの事態に立至った そこで 馬淵川改修期成同盟会が結成され 水害を防ぐとともに 臨海工業地帯を造成 八戸市の産業経済の振興を図る強力な運動が展開され 昭和二十四年から工事は軌道に乗った
旧河川の北側に 捷水路二キロメートルをひらき 両岸に堤防約九キロメートルを築き また 護岸五キロメートルと 長さ三〇〇メートルの新大橋を架設した この改修は 十三億五千万円の事業費と十九年の歳月を費やして 昭和三十一年六月に完成した
この結果 洪水の被害を免れた農工産物に受ける利益は年間数億円に及ぶとともに 工業立地の諸条件が飛躍的に高まり 今日の八戸市発展の原動力となっている臨海工業地帯と工業港の基盤が確立した
この改修にあたり期成同盟会の先頭に立って力を盡くされた 岩岡コ兵衛 長谷川哲夫 田名部右衛門次郎三氏並びに関係者の労苦と 地元住民の協力をしのび 永くその功績をたたえるため 記念碑を建ててこれを録した
昭和三十六年九月三十日
八戸市長 岩岡コ兵衛
新大橋上流右岸堤防