水神社略記

日本の川と災害 > 日本の川 > 富士川水系 > 水神社 > 水神社略記  Last update 2009/05/10


水神社略記
  一、祭神 弥都波能売命    末社二社
  二、鎮座地 富士市松岡字水神一八一六番地 境内二五三〇坪
祭神のまたの御名を瀬織津比売命と白し水霊水分神なり。創建は正保三年と社伝にあ
り、棟札に「正一位水神社正遷宮寛保三年癸卯五月二十八日富士郡加島庄松岡村鎮座」
と誌す。社領境内は宏大なずとも磐石畳々岩床に松柏茂り、富士河岸の勝景として東
海道名所図絵に「水神の森」と記して広く知らる。此の森富士川洪水によりて時に中つ
瀬となるも覆水損潰することなし。駿河と代名される如く急流にして瀬浅く川筋定まら
ず。溢水の都度岩床に衝りて幾多に分岐し、東流して岳南原野を荒廃すること屡々なり
時に駿河代官古郡孫太夫重政この河川を鎮定以て住民の安堵を図らんとし、岩本山とこ
こ水神の森とを結ぶ遊水長堰の備前堤築造に着手、寛永より延宝に亘りて父子三代相継
ぎて辛苦すること三十有余年遂に完成終る。爾来長堤決潰することなく水流定まりて
加島五千石沃野開拓の礎となり今日の繁栄を来したり。世に称して雁堤という。依って
この社を岳南鎮護の宗祀と崇め祭りて水神講社を結成し講社祭を斎行して神恩に感謝し
敬神崇祖の実を挙げ今日に至る。
 尚富士山本宮浅間大社鏑馬祭の川原祓いの儀は古来当地域に於て厳修する。
  主なる神事
  例大祭(十月十七日) 元旦祭(一月一日) 講社祭(四月三日)
  大社川原祓(五月四日) 農休祭(七月一日) 新穀感謝祭(十一月二十三日)


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