三國港修築記念碑

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日本の川と災害 > 日本の川 > 九頭竜川水系 > 河口右岸 > 三國港修築記念碑  Last update 2007/05/01




三國港ハ九頭竜川ノ河口ニ位シ往時ハ 尚漁船ノ出入殷盛ヲ極メシカ不斷ニ堆 積スル泥砂ノ爲港内ノ水深漸ク減シ且 沿岸陸地亦狭少ナル急斜面を爲シ大船 巨船ノ入港接岸荷役不能ニ陥リタルヲ 以テ港勢漸次衰微ヲ來セリ
然ルニ本縣沿岸ハ特ニ魚介海藻ノ繁殖 ニ適シ随テ近海漁澇ノ業亦年ヲ追テ旺 盛ニ赴クト雖當港ノ施設之ニ伴ハス識者 ノ深ク憂トセル所ナリキ
縣ハ茲ニ見ル所アリ昭和四年度以降三 ヶ年ノ繼續事業トシテ工費拾四萬ヲ投 シ河口ノ水面五千餘坪ヲ埋立テ其ノ前 面ニ岸壁及船揚場等ヲ築設シ以テ繁船 ノ便ヲ圖リ商港竝ニ漁港トシテノ設備 ヲ略完成セリ想フニ沿岸一滯ノ當業者 ハ普ク其ノ便益ヲ享ケ再ヒ曩日ノ恨ナ キニ至リ地方産業發展ニ資スル所蓋シ 鮮少ナラサルヘシ
茲ニ本工事ヲ完成スルニ方リ概要ヲ録 シ以テ記念トス
 昭和七年四月
 元福井縣知事市村慶三
 元福井縣知事齋藤直橘
 前福井縣知事小濱浄鑛
 福井縣知事大達茂雄

この石には不思議な傳説が二つ 語り傳へられて居ります そのこ とを私は耳にしましてから再度 の夢みにどうかしてこの石を明る い世界へ浮ばせたいと思ひまして 近親のものにもはかつて記念の碑 を建てることに致しました
   傳説の一
北海道のさる物持から庭石にと注 文をうけながら年に一度の出船ま でに間に合はなかつたのでそのま ま港口に捨てられ長い恨をのんで 埋もれてゐたのだ
   傳説の二
福井藩忠直卿の亂行沙汰の節はら み女腹切りの臺石に使はれてゐた のを恨の妖魔として河口深く埋も れてゐたのだ
漁港修築の記念に 謎のまま 永 遠に殘したいものと希つて居りま す
 昭和七年四月十日
   株式會社飛島組
     代表者 飛島文吉


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