日本の川と災害 > 日本の災害 > 伊勢湾台風 > 伊勢湾台風殉難之塔 Last update 2008/07/09
愛知県弥富市西末広
北緯35度03分35秒 東経136度46分34秒
塔之銘 愛知県知事 桑原幹根書
彫塑 愛知学芸大学助教授 高木久成作
伊勢湾台風殉難之塔
碑文
とき昭和三十四年九月二十六日のよる
史上最大といわれた伊勢湾台風が異例の高潮
を伴って当地方に来襲し 荒れすさぶ怒濤は
瞬時に堤防を決潰させ多くの家屋家財を押し
流し あまつさえ弥富町住民三百二十二名の
尊い人命を奪い去つた
風速四十五メートルの烈風と五メートル三
十一(名港基準面上)の高潮が渦巻く濁流の
暗闇に親を呼び子を求める悲鳴も空しく 当
時の惨状を偲べば語る者も聞く者もひとしく
涙にむせぶばかり−悲惨の極みである
ここに殉難者の御霊安かれと念じ 泥海の
中で衣食に窮した生活八十余日に及ぶ大自然
の猛威を 吾々の心のいましめとして後世に
語り継ぎ 全国及び海外の各地から寄せられ
た温い救援の好意を謝するため 広く浄財を
募り伊勢湾台風殉難之塔を建設して永く慰霊
のまことを捧げる
昭和三十八年辰日
弥富町伊勢湾台風殉難之塔建設委員会
村上冬燕句碑
文学碑建設実行委員会
平成九年三月吉日
洪水の底にて稲穂靡くかたち
冬燕
舟で行く。水の下には稔った稲穂がぎっしり。水の流れによってその穂が一斉に動く。風に靡くのとそっくり。水中の稲穂よあわれ。村上冬燕さんは名古屋在住の医師。山口誓子門下。俳人協会顧問
大正三年生れ。
文学碑建設実行委員会
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