1997.7.6-17梅雨前線豪雨
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2004/10/13
停滞する梅雨前線により広い範囲で豪雨。特に九州では梅雨前線が停滞し、多いところでは総雨量が600〜1,200mmに達する記録的豪雨となった。
死者26名、負傷者17名、建物の全半壊56棟、床上浸水は熊本県、大阪府、兵庫県等281戸、床下浸水は大阪府、熊本県、奈良県、島根県、広島県、兵庫県、岡山県等22府県合計7,323戸。
(15日15時現在建設省河川局防災・海岸課発表資料による)
各地の雨量(6日0時〜14日16時 気象庁発表速報値)
長野県 | 王滝村 | 御嶽山 | 569mm |
岐阜県 | 丹生川村 | 乗鞍岳 | 674mm |
富山県 | 立山町 | 立山 | 400mm |
和歌山県 | 竜神村 | 竜神 | 474mm |
広島県 | 広島市 | 可部 | 460mm |
島根県 | 横田町 | 吾妻山 | 448mm |
高知県 | 馬路村 | 魚梁瀬 | 425mm |
山口県 | 錦町 | 長野山 | 518mm |
福岡県 | 大牟田市 | 大牟田 | 817mm |
大分県 | 前津江村 | 釈迦岳 | 1,028mm |
長崎県 | 諫早市 | 五家原岳 | 857mm |
佐賀県 | 太良町 | 多良岳 | 886mm |
熊本県 | 旭志村 | 鞍岳 | 1,221mm |
宮崎県 | えびの市 | えびの | 833mm |
鹿児島県 | 大口市 | 大口 | 830mm |
- 鹿児島県出水市の針原川では7月10日午前1時頃、土石流が発生し、死者21名、負傷者13名、建物被害16棟の惨事となった。
崩壊の規模が大きく下流に被害を生じたが鹿児島県により砂防ダムが建設中であり、被害を抑制する効果があったと思われる。
現地に派遣された建設省担当官の調査によれば崩壊は約20万m3、うち約5万m3は砂防ダムに堆積と推定。
砂防ダムから下流の河川(出水市管理の準用河川)は被災後二級河川に指定され、鹿児島県によって復旧が行われることになった。
砂防ダムに堆積した土砂は遠隔操作の無人重機により除去作業中。
- 長崎県佐世保市原分町では7月7日13時30分頃、急傾斜地の宅地が地すべりにより傾き住民が避難。
地すべりの規模は幅40m、長さ70m。
7月25日、台風9号の接近を前に下側に被害を拡大しないよう3棟の住宅を取り壊した。
- 兵庫県宝塚市花屋敷つつじが丘では7月13日(8時頃隣家より119番通報)、宅地裏の高さ20mの斜面が崩壊し、一家4名が死亡。崩壊量約50m3。
11日22時〜13日12時までの連続雨量161mm、13日6時〜7時の時間雨量67mm。
- 熊本県坂本村鮎帰中谷地区の斜面が7月15日8時20分頃、高さ約170m、幅約130mにわたり崩壊(土量約13万m3)、堆積し、河内谷川(球磨川水系油谷川支川)を幅50m、延長300mにわたってせき止め、上流側がダムアップされ土石流の危険があるため、下流の川原谷地区、責地区の住民59世帯172名が避難勧告により近くの小学校に避難。
下流の九州電力油谷ダムは水位を下げた。
現場下流の九州自動車道は八代―人吉間で全面通行止となる。
隣接する五木村では6日から14日までに844mmの雨量。
熊本県では無人のパワーショベルやブルドーザーを使用して、川をせき止めている土砂を除去。
- 長崎県長崎市北陽町の住宅地で7月19日午前3時頃、公園の裏山のがけが高さ約60m、幅約50mにわたって崩れ住宅七棟が全壊。住民は避難していてけが人なし。
長崎海洋気象台によると、長崎市では6日から一週間にわたって総雨量570mmに達する雨が降っているが、18日の日中からは晴れていた。
嘉瀬川出水状況
六角川出水状況
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