許田の手水

Go Index 湧水、名水に戻る 2004/04/04


名護市







許田の手水
  市指定文化財(史跡)
  昭和四八年十一月二十七日指定
 むかし、許田の村にたいへん美しい娘がいました。ある日、娘が村の後にあるクシヌカー」という泉で選択をしているとき、首里の殿様が馬に乗ってそこを通りかかり、娘を見て「水を下さい」と声をかけました。娘がニーブ(ひしゃく)で水を汲むと「あなたの手で水を汲んで下さい」といったので、娘はやむなく手で水を汲んで上げました。そして、娘の美しさにほれた殿様は、娘を首里に連れ去り、村人をなげかせたという話が伝えられています。それからその泉を「手水」と呼ぶようになったそうです。
 許田に橋がかかる前は、大きく入りくんだ内海(入江)沿いに道があり、遠く福地原や現在の古知屋又を迂回して、ここにたどり着きました。
その道沿いにこの泉があり、旅人ののどをうるおしたのです。
 古くから、その泉のことは廣く知れわたり、次のような流歌も詠まれ、平敷屋朝敏作の組謡「手水の縁」にも引用されました。
 馬よ引き返せしばし行ぎ見ぼしゃ ●に聞く名護の手水 与那原親方良炬
 面影よ残す許田の玉川に なさけ手にくだる水の鏡 玉城親方朝薫
 汲みよ始めたる誠真実の 流れても絶えぬ許田の手水 読人知らず

平成七年(一九九五)五月   許田区
               名護市教育委員会


Go Index 湧水、名水に戻る upページトップへ

kasen.net Copyright (C) 2004-